ロンドンで一番、いや、ヨーロッパで一番古い書店といえば、
1797年創業のHatchards(ハッチャーズ)です。
ロンドン 一の目ぬき通り、ピカデリーにあり、隣は紅茶の老舗、
Fortnum & Mason(フォートナム&メイソン)です。
買い物客待ちのブラックキャブが列をなしているのですぐにわかります。
(そういえば、ユーロスターが発着するSt.Pancras駅に新しくできた
アーケード内でも、HatchardsとFortnum & Masonは隣同士でした!
共に18世紀から続く老舗同士、昔から仲が良いのですね)
中に入ると、木製の本棚が壁中ぐるりと取り付けられ、重厚な雰囲気。
レジ横には、王室御用達の紋章がデカデカと掲げられています。
文学や歴史、旅行、アート、ペーパーバックなどに混じって、
こんな人気のコーナーも。
なんと、初版本や
ローリング・ストーンズのサイン入り写真集も扱っていました。
他に、書店といえば、チェーン店のWaterstone(ウォーターストーン)が
有名です。
私が一番好きなのは、ロンドン 大学のそば、Gower Stにあるこの店。
イギリスの指定建造物をそのまま使っている美しい書店です。
30年前、ロンドン大学のSOAS(アジア・アフリカ研究所)の夏期講習に
参加するために来た時、ここは確か、Dillon's(ディロンズ)という
おしゃれな書店でした。
今は、Dillonsという名前は、1階のカフェに残るだけ。
学生たちが集い、熱く語り合う姿は今も昔も同じですね。
イギリス人たちは、旅行好きです。
それは、どんな書店でも、旅行コーナーが広く取ってあるのを見れば
わかります。
こちらは、おしゃれなマリルボン・ハイ・ストリートにある
Daunt Books(ドウント・ブックス)。
このフロア、ぐるりと全て海外の旅行本コーナーでした!
2階はイギリス国内の旅行案内。
さて、可愛い模様のラッピングペーパーにお気づきですか?
こちらは、先ほどのHatchardsのラッピングペーパーコーナー。
イギリスでは、誕生日や記念日などに
恋人や友人、家族の間で本をプレゼントする習慣があるそうです。
このため、書店でもラッピングペーパーを売っています。
もちろんラッピングも無料でやってくれます。
インターネットが普及した今でも、ここイギリスでは
人々は本を読み、感想を語り、プレゼントしあう。
なんて、素敵な国民性なんでしょう。
ロンドンに来て、いろいろな書店をめぐるうちに
出版も未来は、そんなに暗くないのかもしれない・・・。
ちょっと希望が持てたような気がしました。
次回は、小さな書店や自費出版を扱う書店のことなどを
お伝えします。