小さな本屋めぐり③ (Donlon Books & マーケット)

当初は、King's Crossに住んでいたせいもあり、

最近、若者たちに人気のロンドンのEast&Northエリアを

せっせと探索していました。

今一番アツいとされるHoxtonやShoreditchのあたりに、

どこか良い本屋さんはないかと探していたら、

見つけました!

「Donlon Books」

 

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2008年にオープン。

主に独立系の出版社が発行するアート本や自費出版の写真集、詩集、zinなどを

扱う小さな本屋さんで、出版社も兼ねています。

 

「Donlon Books」のウリは、他の本屋では扱わない少ロットの

出版物を扱っているところ。

 

LGBT文学やカウンターカルチャー、ポルノまで、

あらゆるジャンルの本屋雑誌が所狭しと並んでいて、

「Donlonに行けば、欲しい本が見つかるよ」というのが

ロンドンの若者の間で定説になっているようです。

 

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特に週末Marketで賑わう土曜日の午後は、

店内は足の踏み場もないほど混雑します。

 

「Donlon Books」は、Hoxton地区のBroadway Marketにあります。

その地名通り、Broadway Marketは週末だけ開かれる、

ロンドンでも人気のマーケットです。

 

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天気の良い日には、近くにある公園、London Fieldsを散歩がてら

たくさんのご近所さんたちで賑わいます。

 

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60年代はファッションも音楽もカーナビー・ストリートが流行の発信地でした。

ミニスカートが流行ったのは、キングス・ストリートから。

そして、大ブレークした映画「ノッティング・ヒルの恋人たち」から、

ノッティング・ヒルがおしゃれスポットに大変身しました。

 

このようにロンドンの文化の発信地は時代とともに移り変わってきています。

今、ロンドンの若者たちが集まるのは、

このLondon FiealdsのまわりやShoreditchあたり。

Hacknyエリアがアツいのです。

 

最後に、最近、私が見つけた一押しのカフェ&バーが、ここ。

 

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Hackneyの自治体が持つ老朽化したビルを一般に開放し、

シェアオフィスやシェアハウスに改修した話題スポット「Netle House」。

その屋上にあるのが、ロンドン市内を見渡せるオープンスペース「Netle360」です。

古い階段を登っていくと、いきなり眺望が開けます。

人工芝のスペースで、若い人たちが思い思いのスタイルで、

おしゃべりを楽しんでいます。

 

ロンドンでは、春から夏にかけて日没時間がどんどん伸びて、

6月の夏至のころは夜10時まで夕暮れが楽しめます。

この夏にロンドンを訪れる予定がある人は、

ぜひ、Hackneyエリアに足を運んでみてください。

 

 

Donlon Books

75 Broadway Market,London

E8 4PH

www.donlonbooks.com

 

Netli360

1 Westgate St,London

E8 3RL

www.netli360.com

 

 

 

 

図書館ナイトクラブ⁈

British Library (大英図書館)はイギリスの国立図書館で、

その蔵書数は1億5000万点以上だと言われています。

日本で一番大きい国会図書館の蔵書数が5000万点に満たないと言うのですから、

世界最大級の図書館であることがわかります。

 

そのBritish Libraryで、今開催中の「Writing(書くこと)」展に関連した

ナイトツアーがあると言うので、行ってきました。

 

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夜7時30分から10時まで。

大人15ポンド、18歳以下は10ポンド。

展覧会を夜に見るツアーだと思い、気軽に参加してみたら、

なんと大英図書館がナイトクラブになっていました!

 

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DJがノリノリの音楽をかけ、Barカウンターにはビールやワインが並んでいます。

広い空間が鮮やかな照明で飾られています。

 

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ゲストはBarカウンターで好きな飲み物をオーダーしてから(有料)、

館内のあちこちに用意されているブースを回りながら、

好きな色のペンで文字を書いたり、

活字を切り取ってはり合わせて文章を作ったり、

タイプを打ったり、印刷したり、

思い思いに「書くこと」を体験し、

その楽しさに触れるような仕掛けがいくつも提示されていました。

 

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この展覧会では、「書くこと」の未来についても触れています。

デジタル技術の発達で、私たちが積み重ねてきた「書く」技術が

大きく変わってきたと指摘しています。

従来のように文章や文字ではなく、

絵文字やイラストで”思い”や”感情”を伝えられるようになったからです。

 

そして、「emoji」のブースもありました。

日本語の「絵文字」は、世界共通語になっていました!

 

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 公共の図書館でワインを飲みながら、

リラックスした雰囲気で展示が見られる。

 

日本の図書館では考えられない新鮮な体験でした。

 

British Library (大英図書館)

96 Euston Rd.London

NW1 2DB

www.bl.uk/writing

「Writing」展は2019年8月27日まで。

 

小さな本屋めぐり② (Tender BOOKS & ICA bookshop)

 Ti Pi Tinのカーチャさんに、「他に面白い本屋さん、どこかある?」

と聞いたら、真っ先に挙げてくれたのが、ロンドンの中心部の

セシルコートにある「Tender BOOKS(テンダーブックス)」でした。

 

セシルコートはレスタースクエアそばの本屋街で、

希少本を扱う古書専門店や地図専門店などが軒を並べる有名なストリート。

ドアを押すにも勇気がいりそうな店構えが多いところとしても有名です。

 

訪れた時も、通りの建物が全体的に改装中で、余計、敷居が高そうでした。

 

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お目当ての「Tender BOOKS」はすぐに見つかりました。

ウィンドウには、「STUDIO 54  DISCO Tribe」の文字。

その下には、踊り狂う人々(Tribe)の写真が置かれていて、

思わずぐーっと吸い寄せられていました。

 

70年代のNYを牽引した有名なディスコ「スタジオ54」。

そこに集う人たちを写真家William Couponが

モノクロでスナップした写真展を開催中でした!

 

「Tender BOOKS」は、写真集を始めアート関係の本や、

自費出版の書籍、詩集、写真集などを多く扱う書店です。

その活動はワールドワイドで、今回の写真展も

カナダ・トロントの「Rare Photo Gallery」と共催で行なっていると

代表のTamsin Clarkさんが教えてくれました。

 

もちろん写真の販売もしています。

そう言う意味では、ギャラリー的な要素も。

「スタジオ54」の常連客だったアンディ・ウォーホール

トルーマン・カポティ、グレース・ジョーンズなど

アイコン的な人たちの写真も置いてあったそうですが、

すでに売れてしまったそうです。

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写真展以外で面白かったのは、

店内に、日本語の本や日本関係の書籍が並んでいたこと。

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増井和子著「KENZO TAKADA」は分厚い洋書です。

高田賢三が描いたデザイン画の数々、

コレクション風景のスナップあれこれ、

ロングインタビューなど、デザイナー高田賢三のすべてを網羅した

と言うくらいのボリューム&熱量がこもった力作でした。

 

抹茶ブームのせいか、英語版茶道雑誌もありました。

Tamsinさんに聞くと、日本人作家では荒木経惟森山大道が有名で、

写真集がよく売れているようです。

 

帰りに、バッキンガム宮殿に通じるThe Mall通りにある、

やはり日本人写真家の作品を多く揃えていると教えてもらった

ICAギャラリー(現代美術館)のBook shopに寄ってみました。

美術館併設の本屋だけあって、アート関係の品揃えも豊富です。

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ICAにはミニシアターが併設されており、この日は

ちょうど日本でも公開中の「幸せなラザロ」を上映していました。

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Tender BOOKS

6 Cecil Court London

WC2N 4HE

www.tenderbooks.co.uk

 

ICA  book shop

The Mall、St.James's  London

SW1Y 5AH

www.ica.org.uk
 

 

小さな本屋めぐり ① (Ti Pi Tin )

日本を発つ前からチェックしていた小さな本屋さんの

「Ti Pin Tin(ティー・ピィー・ティン)」。

 

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マニアックなロンドンのガイドブックで知った本屋さんです。

 

場所はロンドン北部、Dalston(ダルストン)のはずれにあります。

この辺りとオリンピックスタジアムが建設された東部は、

2012年のロンドン オリンピック以降に再開発され、

注目のお店が点在する話題のエリアです。

キングスクロスからはバスで簡単に行けるので、

色々と探索してみました。

 

ガイドブックによると、「Ti Pi Tin」 は2009年にオンライン書店として

スタートした後、この店舗を構えたそう。

独立系出版社の書籍や自費出版の本を多く取り揃えていることでも

有名です。

 

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見ていくと、本棚のあちらこちらに、

思いがこもった詩集や斬新なデザインの写真集など、

丁寧に作られた自費出版本がたくさん置かれていました。

そして、アート系のユニークな雑誌やZINも。

 

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オーナーのカーチャさんに聞くと、

自費出版の本を100冊以上は扱っている、とのこと。

時々、出版記念パーティや講演会なども行なっているそうです。

この小さな本屋さんが文化の発信基地になっている様子がわかります。

 

そして、やはりここにも本をプレゼントするための

ラッピングペーパーが置いてありました。

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帰りは歩いてダルストンの駅へ。

途中に、やはりこのエリアの文化の発信基地である、

「リオ・シネマ」がありました。

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リオ・シネマは100年近く続く映画館です。

スクリーンが1つだけしかありませんが、

メジャーな作品から芸術作品まで上映する前衛的な映画館です。

1930年代のアールデコがそのまま内装に残されているそうなので、

ロンドン 滞在中に、ぜひ行ってみたいと思います。

 

 

Ti Pi Tin

47 Stoken Newington High St.

London N16 8EL

www.tipitin.com

 

Rio Cinema

107 Kingsland High St.

London E8 2PB

www.riocinema.ndirect.co.uk

 

 

ロンドンの書店

ロンドンで一番、いや、ヨーロッパで一番古い書店といえば、

1797年創業のHatchards(ハッチャーズ)です。

ロンドン 一の目ぬき通り、ピカデリーにあり、隣は紅茶の老舗、

Fortnum & Mason(フォートナム&メイソン)です。

買い物客待ちのブラックキャブが列をなしているのですぐにわかります。

(そういえば、ユーロスターが発着するSt.Pancras駅に新しくできた

アーケード内でも、HatchardsとFortnum & Masonは隣同士でした!

共に18世紀から続く老舗同士、昔から仲が良いのですね)

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中に入ると、木製の本棚が壁中ぐるりと取り付けられ、重厚な雰囲気。

レジ横には、王室御用達の紋章がデカデカと掲げられています。

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文学や歴史、旅行、アート、ペーパーバックなどに混じって、
こんな人気のコーナーも。

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なんと、初版本や

ローリング・ストーンズのサイン入り写真集も扱っていました。

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他に、書店といえば、チェーン店のWaterstone(ウォーターストーン)が

有名です。

私が一番好きなのは、ロンドン 大学のそば、Gower Stにあるこの店。

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イギリスの指定建造物をそのまま使っている美しい書店です。

30年前、ロンドン大学のSOAS(アジア・アフリカ研究所)の夏期講習に

参加するために来た時、ここは確か、Dillon's(ディロンズ)という

おしゃれな書店でした。

今は、Dillonsという名前は、1階のカフェに残るだけ。

学生たちが集い、熱く語り合う姿は今も昔も同じですね。

 

イギリス人たちは、旅行好きです。

それは、どんな書店でも、旅行コーナーが広く取ってあるのを見れば

わかります。

 

こちらは、おしゃれなマリルボン・ハイ・ストリートにある

Daunt Books(ドウント・ブックス)。

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このフロア、ぐるりと全て海外の旅行本コーナーでした!

2階はイギリス国内の旅行案内。

 

さて、可愛い模様のラッピングペーパーにお気づきですか?

 

こちらは、先ほどのHatchardsのラッピングペーパーコーナー。

 

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イギリスでは、誕生日や記念日などに

恋人や友人、家族の間で本をプレゼントする習慣があるそうです。

このため、書店でもラッピングペーパーを売っています。

もちろんラッピングも無料でやってくれます。

 

インターネットが普及した今でも、ここイギリスでは

人々は本を読み、感想を語り、プレゼントしあう。

なんて、素敵な国民性なんでしょう。

ロンドンに来て、いろいろな書店をめぐるうちに

出版も未来は、そんなに暗くないのかもしれない・・・。

ちょっと希望が持てたような気がしました。

 

次回は、小さな書店や自費出版を扱う書店のことなどを

お伝えします。

 

 

 

サバティカル休暇でロンドンに来ています。

長い間、ご無沙汰しています。

ククイブックスのYです。

本来であれば、ククイブックス 2冊目のご報告をしたいところですが、

実は製作が難航していることもあり(著者の筆がなかなか進みません)、

思い切ってサバティカル休暇を取り、ロンドンに来ています。

 

サバティカル」とは、耳慣れない言葉ですが、最近、NHKニュースで

取り上げられ、少しずつ認知されてきたようです。

www3.nhk.or.jp

 

ロンドンでは、とりあえずキングスクロス駅のそばの

リージェンツ運河沿いのアパートを借りました。

このあたりは出版社が多く、運河の向かい側はガーディアン新聞社でした。

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リージェンツ運河には、narrow boatと呼ばれる細長い船が

たくさん係留されています。この船に住んで、イギリス中を旅行している

お金持ちが大勢いるそうです。

 

船といえば、リージェンツ運河でこんな本屋さんを見つけました。

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古本屋さんですが、

「世界は水の上にある」という看板が秀逸です。

 

日本では、何年も前から出版不況が叫ばれています。

電子出版が紙の出版を凌駕した、とも言われています。

ところが、イギリスに来てみると、街の本屋さんには活気があり、

地下鉄の中でも、スマホを手にするよりも、

ペーパーバッグを読んでいる人の方が多いくらいです。

(もっとも、ロンドンの携帯電話事情はあまり良くなくて、

地下鉄内ではWiFiが通じない、という説もありますが)

実際、イギリス国内の出版総数もあまり減っていないそうです。

 

今回のサバティカル休暇中に、

なぜイギリスでは、出版が廃れていないのか?

どんな本が読まれているのか?

英語力が可能な範囲で取材して、このブログでお知らせしていきます。

よろしくお付き合いください。

 

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紀伊國屋書店西武渋谷店で『ジジの合鍵』が売り上げランキング4位になりました。

同店で開催中の限定ショップ「雑貨屋gg」も、連日多くの方が訪れてくださっています。

イベントは7月8日(日)まで。みなさん、ぜひ一度、のぞいてみてくださいね!

 

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